おにぎりの具を取り出す作業

中身があることを願って

今世界には何が足りない?

年始の日経新聞で連載されていた、C世代 賭けるの中にあった、ソフィアバンク副代表の藤沢久美氏の「お金より社会へ視線」というコラム、それに言及するブログと、別の記事から思うところあって書き留めます。

若い人はその時代に足りないものに対してハングリー。今の経営者や管理職の人は若い時、お金やモノに対してハングリーだった。今の若者は共感や社会を良くしたいとの思いに対してハングリーだ。
~中略~
社会的な課題をビジネスで解決する社会的起業に関心を持つ若者が多いのは、今の時代に足りないものを生み出したいから。高度成長期の若者はお金やモノを生み出すため、家電や車を作る会社に入った。この人たちが豊かさを築いている間に足りなくなった部分に、今度は今の若者が光を当てていると考えれば、若者の振る舞いとして自然ではないか。

http://techse7en.com/archives/3808935.html

「確かに」と思う人はしっかりした大人ですね、私は尊敬します。記事の中では世代間の考えの食い違いにも言及していますが、「何が足りないか」という部分で今回は進めます。

そして思い起こしたのはphaさんの記事

何かを作るときのモチベーションは大体「なんでこれがまだ世界にないの?」という苛立ちのようなものだ。
「こういうのがあったら便利に決まってるでしょ? なんでないの? サボってるんじゃないの?」って怒っていたりする。誰に対して怒ってるのか分からないけれど。
それで「仕方ないなあ、誰もやってないなら俺がやるか、めんどくさいなあ」と思いながら何かを作って公開したりする。
公開した後も、自分がいきなり死んだりしても、それが何らかの形で伝わって残っていくように、ということを第一に考えて運用している。自分はどうでもよくて、それが世界に残っていればいい。

http://d.hatena.ne.jp/pha/20120106/1325797486

まさに足りないものを作る人だ。凄い。時代精神を体現する人物そのもの。ニート凄い。

という事で自分が思う今足りないと思うものは何だろう。
金、時間、希望・・・とかそんな大雑把ではっきりしない事じゃなくて、いや大雑把でも良いんだけれど私的な事からの発想ではなくて、世界に足りないものは?―
難しい。普通はパッと浮かぶものだろうか。欲望というか問題意識というかそんなのを意識せず、ただ川面に浮かぶ葉の如くユラユラと生きているのを改めて感じる。でもこのままじゃ駄目だと変えていく人々の考えには納得するのです。1月の日経新聞 私の履歴書欄に寄稿していたトニー・ブレア氏の思いや実現した事が、世界をより良くしようとしている事は感じる、そんなリーダーは必要。大阪市長の橋下氏もきっと改革者になるんだろうと勝手に期待しています。
しかし誰しもがリーダーに成れるわけでもなく、そして誰もが自分の使命、やりたい事を見つけられるわけではないという事に納得してしまってからは、その葉っぱのような流されるままの気持ちになってしまったのだと思います。孫正義氏に画面越しに言われた「まず自分の登る山を決めろ」という言葉が重い。いやー見つからないね、難しい。
・・・こんな事を書くと考えるのは、昔、50代の軽井沢のペンションのオーナーに言われた事。「僕は学校の勉強でも仕事でも何でも人一倍時間がかかった。でもやりたいことを見つけたらそれについてだけ勉強した、がんばった。やっと夢の尻尾が見えてきた。あと2年頑張ったらペンションも経営しているアパートも全て処分してフィリピンでドーナツ屋を始める。君も別に人より優れた事が無くても良い、自分のやりたいことを見つけたら諦めずに続けてやってみて。」そう言っていた。(そのオーナーさんのペンションは、漏電が原因で全焼した(死傷者は出ていないらしい)というニュースで思い出した。)あの時に真剣に考えて何をしたいのか考えれば良かったなぁ・・・
いやまだ終わっちゃいないので探し続けるのですが、今回の「世界に何が足りないか?」という考え方が一つのヒントになった気がします。

そういえばそのペンションのオーナーさんは「人との繋がりは大切にね、色々と情報が入ってくるから為になるし生き残る術になる。ゴールドを買っておけって詳しい人に言われたなぁ。そういう情報もこれからは必要だね。」と言っていた。およそ7年前。2005年の金相場444.72ドル/トロイオンス、現在は1750ドル/トロイオンス。ペンションの1つや2つなんのそのかもね。